9/06/2012

“TOTO”というバンドの考察




…ん?


…あっ、違った。


こっちだ。






…ってな具合に、

ほぼ化石になりつつあるジャストジョークを飛ばしてみたり。



…で、TOTOというバンドの話。



・スタジオミュージシャンの集まり

・優等生

・テクニシャン

・産業ロック



…みたいな。



以前(それなりに昔)に、外タレの来日マネージャーをやってる人の話を聞いた事がある。

その人が強調していたのはヨーロッパ系バンドアメリカ系バンドの違い。

来日した際…※あくまでも全てというわけではない※

イギリスなどのヨーロッパ系の連中は、アクティヴなメンバーは歴史的建造物の観光を望んだり、ネガティヴなメンバーはホテルの部屋で延々楽器のトレーニング…ってパターンが多い。
※ツェッペリン等は例外(笑)※

アメリカ系の連中は、ほぼ全員が「ソバ~!」やら「スシ~!」から「サケ~!」って感じか、「ニホンのオンナ~!」…ってパターンが多い。

…なんて話だった。



そんなTOTOアメリカのバンドである。

…それも西海岸系

いや、西海岸系がアホだとか言ってるわけではないのだが…(笑)

あのSteely Danのコメントに、こうある。




「東海岸のミュージシャンってさ、シンプル・イズ・ベストみたいな感じで、スタジオには最小限の機材しか持ち込まないんだよな。」
「それに対して西海岸のミュージシャンは驚くよ。トレーラーは来るわローディーは連れて来るわでデカい機材をスタジオに無理矢理突っ込むの。ドラムセットなんてフルセットだよ、フルセット!」




再度言うが西海岸系がアホだとか…ってわけじゃないのだけど、まあ御想像に御任せしよう。



…さて、TOTOが初来日した際はどうだったのか?



・口に食べ物を含んだまま喋り続けるもんだからテーブルの上には常に食べ物が散乱

・あるメンバーがスルメの匂いを嫌ったところ、ホテルのベッドシーツの下一面に湿ったスルメを敷き詰めた



…てな具合。

しかし一方、違う一面も知る事になる。



・誰が作った曲であろうと印税はメンバーで同額分配

・サポートメンバーへの気配りは万全で、しっかり立てる



ようはTOTOというバンド…

優れたスタジオミュージシャンである前に…

♪仲良しグループ♪

…なのだ。



故にバンド内にドロドロのゴタゴタは皆無。



メンバーチェンジについてもそうだ。

最初に脱退したのはベースのデヴィッド・ハンゲイト

彼はアルバム“TOTOⅣ”の成功により多忙になる事を避け脱退した。
メジャーグループの長くなるコンサートツアーで家族と過ごす時間が無くなるのを恐れたのだ。
それをメンバーは快く承諾。
その後任に、ドラムのジェフキーボードのスティーヴ実兄弟マイク・ポーカロが加入。

ギターのスティーヴ・ルカサー曰く
「これで真のオリジナルメンバーになった」
学生時代やっていたのローカルバンドに戻ったわけだ。

たまたまボズ・スキャッグスのスタジオワークで揃ったメンツで意気投合しスタートしたTOTOなのだが、実は昔からのメンバーは学校の先輩後輩やら兄弟で始まっていたのが真のルーツ。
これなら仲が良いのも完全に頷ける。

…まあ、ビッグネームになってしまっただけに、途中経過では事務所が連れて来たっぽいメンツもチラホラ居るが、だいたい即座に脱退している。
たぶん…仲良しグループの輪に入れなかった…ということでしょ。
※まあ、あくまでも想像だが※



…しかし、そんな仲良しバンドにも悲劇が訪れる。

バンドのドラマーであり、リーダーだったジェフ・ポーカロの死だ。



これには世界中が驚き、悲しんだ。

この俺だって思った…

“まだジェフのドラム生で聴いてないよぅ!”



一般庶民でさえ大きなショックだったのだから、仲良しグループにとっては信じられないほどの打撃だったに違いない…。
まさに家族を失ったと同様だろうなぁ。

しかしTOTOは強かった!

バンド解散の危機を乗り越えただけではなく、後任ドラマーは何と!!



あのサイモン・フィリップス先生

突然のブリティッシュ・ドラマーの加入も驚きだが、'70年代後半からロックを聴き続けていた連中にはブリティッシュロックのヒーローだよ、うん。
相違タイプのドラマーとして、コージー・パウエルと人気を二分していたと言っても過言じゃないはず。

999、ゲイリー・ボイル、ゲイリー・ムーア、ジューダス・プリースト、ジェフ・ベック…
ブリティッシュ系ロックの重鎮達のアルバムやツアーに引っ張りだこの、あの人がTOTOに加入したわけだっ。

さすがTOTO…

とんでもないところから後任選出したもんだ!

…っていうか、誰も反論できやしないよ(笑)

だからと言ってTOTOは、ジェフを忘れはしなかった
たぶん今でもリペクトし続けているはずだ。



その後、ジェフの不幸を引き摺るが如く不幸は続いた。

TOTOの大半の曲を作り、曲構築ではリーダーシップを取っていたディヴッド・ペイチが家族急病の為に離脱…
長きに渡りリズムを支えていたマイク・ポーカロの病欠…

こんなに仲良しで、常に支えあってきたバンドに尽く悪い波が押し寄せる…。



さすがに長年第一線を維持してきたメンバーだ。
一流のミュージシャン達が、快くバンドの穴を埋めてくれる。



言ってみればTOTOの音楽は個人的に好みである。
でも…何ていうか…それを超えるロックバンドとしての魅力を感じる。

どんなメンツでステージに立とうと、そこには過去のメンバーの姿を感じられる。
奏でる音の細部に渡り、歴史を思い起こさせてくれる。

確かにTOTOは一流のミュージシャン集団だ。
しかし演奏技術や音楽の才能だけではない。
良い仲間だからこそ良い音楽が出来る。

そんなことを教えてくれるTOTOが俺は好きだ。


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4 件のコメント:

  1. 「上手くまとまったユニット」ではなく、「良質なバンド」であったことが大切なんですよね。どのアルバムも好きですが「選べ」と言われれば「ハイドラ」かな。

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  2. >hana
    TOTOの場合、表向きはユニット扱い(サポート扱い)してる場合が度々あるけど参加メンバー自身は完全にバンド意識になってる感があるよね。
    サポートパーカッションのレニー・カストロなんて完全にバンドメンバー化しちゃってるもの(笑)
    …俺も「一枚」って言われたらハイドラかなぁ。

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  3. ボビー金玉が抜けたあと、もしシカゴに行ったあの方が入ってたらどうなったかな…とか今でも考えちゃう\(^o^)/

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  4. >hana
    そうだなぁ~…あの人が入ってたら…
    プログレ色が薄くなってソウル色が濃くなったかもね(笑)

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