2/13/2013

“Over the top”というアルバムの考察

言わずと知れた(…でもないか?)
名ドラマー、(故)コージー・パウエルのソロ・アルバム。




これ、すっげぇ久し振りに聴いたわけよ。


高校時代にけっこうこのアルバムが好きで文化祭なんかでコピー演奏した経緯もあるのだが…

実は俺、当時はコージー・パウエル自体はあまり好みじゃなかった。
…っていうか、
この人のドラムの何に魅力があるのかが分からなかった

周囲の同年代の若人達が
「やっぱコージーかっちょいいよな!すげぇよな!」
…と、口々に言ってた頃、
「コージーなんてボンゾに比べたらイマイチだろ。テクならサイモン・フィリップスの方が凄いし。」
…なんつーわけの分からん意見を言ってたわけだ。

レインボーの映像を観ると、確かに叩き方が粋だった。
シンバルなんて斜めにスナップ効かせてシャリーンって感じ。




当時はこのPV映像くらいしか観れる環境になかったわけだが…
とにかくドラミング姿はクールガイな感じ。


しかーし!!

左手がレギュラー・グリップぢゃないかっ。


かっちょわるぅ~!!
ジャズじゃあるまいし、何じゃこれぇ~!!
ロックだったら両手ともガッチリ握れやっ。

…と、ロック少年は感じたわけである。

果てしなく浅はかな理屈(笑)


そんなコージーの魅力を沸々と理解してきたのは二十代後半になった頃だったか…
※ひじょ~に恥ずべきだぞ、俺※

今や理解の境地に達したわけだっ。
※汚名挽回のつもりが全く理解不足の可能性ありだぞ、俺※


そりゃあもうオーバー・ザ・トップを聴くスタンスにも変化が生じるわけだ。


レコーディングのメンツはこんな顔触れ。
Dave Clempson、Bernie Marsden
…と、職人系ギタリスト。
当時の速弾きブーム最中では些か地味な人たち。

…で、キーボード。
Don Airey、Max Middleton
この人達も鍵盤職人。

そしてベースは何故か
Jack Bruce(笑)
いやいや、笑っちゃいけない。

そんでもって、たった一曲の参加ながらリスナー達の注目の的。
Gary Moore
この一曲だけを何度も繰り返し聴いた人も少なくないのではなかろうか。


当時はこんな感じの印象だったが、今更ながら個人的な印象は少々違っている。

何たってこのアルバムは楽曲が素晴らしい

曲自体、アレンジ、演奏、全てにおいて優れている。

とてもロック・ドラマーのソロ・アルバムとは思えない

まるで良質のロック・バンドのアルバム、という印象。



一曲目、George Martinのカヴァー曲“Theme 1”については、メンバーが集まった時にセッションしてみたらイイ感じだった的なノリっぽいが、その他の曲については Airey、Marsden、Middleton という作曲陣の書き下ろしだ。
がっちり作ったわけじゃなく、ジャム・セッションで仕上がった曲もあるかもしれんが、それにしても完成度が高い。
メンバー全員がノッてる雰囲気が伝わってくる。


─── このアルバムの中から一曲。

ジェフ・ベックに捧げる曲“THE LONER”



う~む…イイ曲だっ


良い曲揃い、って事は、良い曲が提供された、ということだ。

それは何故か?


ドラムがコージー・パウエルなら、こんな曲を演りたい


…という思いからであろう。
※あくまでも勝手な妄想ではあるが※


コージーは、

決して擢んでない

自分だけ目立とうともしない

曲を大切にする


そんなドラマーだと思う。


だからこそ、自分の曲に参加して欲しいというミュージシャン達に次々と誘われ、数多くのアルバムやバンドに参加しているのだろう。


コージーもまた、職人ドラマーなのだ。


歌モノの歌、ギターモノのギター、鍵盤モノの鍵盤、を絶対に邪魔しない。
逆に、それらを活かすドラミングを身に付けている貴重なドラマー。
しかし、それでいて存在感はしっかりある。


故に、このアルバムは曲を聴かせるアルバムかと思う。
それだけに Gary Moore 参加曲“Killer”がワン・ポイントとして際立っている。


「上手い」としか言いようがない。


若い頃は理解出来なかったコージー・パウエルの魅力…。

音楽というものを知るうちに分かってきた気がする。

しかし残念ながら事故死という悲惨な結果でドラマー人生の幕を閉じてしまった。


コージーよ、あなたが生きてるうちに生で聴きたかったよ。


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